詳細 |
実施記録
禅寺の法堂(はっとう)の天井にはよく龍の図が描かれています。法堂は住持が仏に代わって大衆に宗旨を挙揚する場として、七堂伽藍の中で最も重きを置かれた建築です。また、龍は仏法護持の神将の一つとして特に禅宗では重んじられてきました。法堂に龍が描かれるようになったのはいつ頃からかは明らかではありませんが、室町時代初期の画僧、兆殿司(ちょうでんす)が東福寺法堂の蟠龍図を画いたことが『本朝画史』に記されており、これが記録としての最初のようで、近世に建てられた殆どの法堂には蟠龍図が描かれています。 さて、今年(平成12年)は辰年。臨済宗・黄檗宗の合議機関である臨黄合議所ではこれにちなみ、下記の通り各本山の法堂を拝観する「龍めぐり」を企画いたしました。今回の企画は、たんなるお寺めぐりではなく、法堂という禅寺の中で最も宗教的空間を持つ場で、龍図の鑑賞を通して今そこに生きている僧侶、生きた宗教と触れ合う場を積極的に提供してゆくものです。 辰年だけの限定企画。この機会に禅寺めぐりはいかがですか。
期 間 |
(第1期)平成12年3月1日~31日 終了 |
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(第2期)平成12年6月1日~30日 終了 |
時 間 |
原則的に午前10時より午後3時まで |
その他 |
参拝される時は事前に各本山に連絡して下さい(要予約) 僧侶による説明があります(但し本山によっては説明がない場合がありますので事前にご確認ください)。 |
【「禅寺-龍めぐり」受入れ本山】
本山名 |
連絡先 |
説明時間帯・備考 |
妙心寺 (京都市) |
075-461-5226 |
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南禅寺 (京都市) |
075-771-0365 |
但し外からの拝観のみ(説明なし)。 団体の場合、法堂での坐禅体験あり。 |
東福寺 (京都市) |
075-561-0087 |
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相国寺 (京都市) |
075-231-0301 |
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大徳寺 (京都市) |
075-491-0019 |
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建仁寺 (京都市) |
075-561-0190 |
特別拝観4月29日~5月7日の期間のみ |
天龍寺 (京都市) |
075-881-1235 |
10:00/14:00 |
建長寺 (鎌倉市) |
0467-22-0981 |
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永源寺 (滋賀県) |
0748-27-0016 |
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方広寺 (静岡県) |
053-543-0003 |
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仏通寺 (広島県) |
0848-66-3502 |
10:00/11:00/14:00/15:00 但し10名以上 |
向嶽寺 (山梨県) |
0553-33-2090 |
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万福寺 (宇治市) |
0774-32-3900 |
10:30 |
○参拝される時は事前に各本山に連絡して下さい(要予約)。 ※日時によっては行事等で参拝できない時があります。 ○参拝料は各本山よって違います。
【臨黄各派龍図一覧】
本山名 |
内 容 |
所 在 |
備 考 |
妙心寺 |
雲龍図 |
法堂天井 |
狩野探幽筆(重文) |
黄檗宗 万福寺 |
龍の伽藍配置 |
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龍目井、敷石、蛇腹天井等を龍の目、鱗、腹等に喩える |
南禅寺 |
雲龍図 |
法堂天井 |
今尾景年筆 |
建長寺 |
雲龍図 |
法堂(修理中)天井 |
小泉淳作筆(現在作成中)、客殿にて展観可能 |
東福寺 |
雲龍図 |
本堂天井 |
堂本印象筆 |
円覚寺 |
雲龍図 |
仏殿天井 |
前田青邨監修、守屋多々志筆 |
大徳寺 |
蟠龍図 |
法堂天井 |
狩野探幽筆 |
方廣寺 |
虹梁の彫刻 |
半僧坊真殿 |
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永源寺 |
龍図 |
開山堂天井 |
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天龍寺 |
雲龍図 |
法堂天井 |
加山又造筆 |
相国寺 |
蟠龍図 |
法堂天井 |
狩野光信筆、直径9m 鳴き龍の別名あり |
建仁寺 |
雲龍図襖絵 |
方丈 |
特別拝観4月29日~5月7日の期間のみ |
向嶽寺 |
龍図 |
法堂天井 |
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佛通寺 |
雲龍図 |
法堂天井 |
管 南山筆 |
国泰寺 |
龍図 |
本堂天井 |
彩色、約300年前本堂落成 |
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