禅の逸話

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釈宗演の逸話 その3

釈宗演自画賛 達磨図(個人像) 釈宗演禅師の展覧会に向けて、展示作品の釈文をする際に禅師の著作などをあつめた『釈宗演全集』全十巻(昭和5年・平凡社)を紐解いていたら、第十巻の最後の方に禅師の逸話がまとめてあるのを知りました。弊所の『禅門逸話...
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釈宗演の逸話 その2

釈宗演の逸話、もう少しご紹介します。 「予言者の訪問」  みずからをメシア仏陀と称し、釈迦よりもキリストよりも偉大な予言者だと吹聴し、自己礼拝を宗義とし、いたるところに押しかけて寄付を乞うては宣伝に努めていた変わり者がいた。 ある時、この変...
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釈宗演の逸話 その1

来たる2018年10月8日から、花園大学歴史博物館にて「100年遠諱記念 明治の禅僧 釈宗演」展を開催する事を先般のブログで書かせていただきました。 いうまでもなく釈宗演老師は明治期を代表する禅僧ですが、逸話も残っています。ここでは弊所発行...
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仏誕生

昨日は4月8日。お釈迦さまの誕生日でした。 祖師がたの「降誕会」の偈頌を読む機会もあると思います。 その中で、「雲門」や、その異称の「韶陽」が出れば、雲門文偃の以下の拈評を言います。 マーヤーの右脇から誕生したばかりの世尊は、七歩あるいて、...
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西郷どんの逸話 その3

さて、今日も西郷隆盛の逸話から。 ◇炭火も使いよう西郷が、ある人の壮行会に出席した。冬の寒い時で、座敷の火鉢には炭火が盛んにおこしてある。酒宴もたけなわになったころ、西郷は戯れに芸者に向かって言った。 「おまえさんにいいものをあげ申そう」 ...
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西郷どんの逸話 その2

さて、大河ドラマの「西郷どん」にちなんで西郷隆盛(号は南洲・1827~1877)の逸話を前回より続けます。 ◇無三和尚に参禅する青年西郷隆盛は、友人吉井友実とともに、福昌寺の無三和尚について禅を学んでいた。無三は二人が大器であるのを見抜いて...
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西郷どんの逸話 その1

NHK大河ドラマ『西郷どん(SEGODON)』がスタートしました。大河ドラマファンのわたしは、初回から楽しみに見ています。前作の『おんな城主 直虎』は、一回も欠かさずに見ました。小林薫さんが演じた南渓和尚が素晴らしかったですね。 実は、西郷...
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公開 逸話(15)白隠門下 その10-遂翁元盧(3)

再び白隠禅師高弟の一人で、遺墨の多い遂翁元盧禅師と、珍しく出てくる琉球僧の逸話から。 遂翁和尚のところへ琉球(沖縄県)の僧が来参した。遂翁は、隻手(せきしゅ)の公案を与えて指導した。 三年の期間が過ぎ、帰郷することになった僧は、遂翁に相見し...
本の刊行

『一休ばなし集成』在庫あります

今週末、2017年7月28日(金)の13時~18時30分に、花園大学講堂にて、一休シンポジウム「一休と禅のこころ」が開催されることは、先般のブログ禅にて紹介させていただきました。 そんなおり、絶版品切れとなっている『一休ばなし集成』の返品本...
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逸話(14)白隠門下 その9-大休慧昉

白隠門下で、のちに東福寺派の宝福寺(岡山県井山)に住した大休慧昉禅師(1715~1774)の逸話を2話ご紹介します。 「大休和尚―南泉一株花の公案―」 ある時、大休和尚は、〈南泉一株花〉という公案を究明していた。ちょうど白隠禅師が、金剛寺の...
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逸話(13)白隠門下 その8-霊源慧桃

今回は白隠門下で、のちに天龍寺へも出世した霊源慧桃禅師(1721~1785)の逸話をご紹介します。 「病苦の中で大悟」 霊源慧桃和尚は、松蔭寺の白隠禅師のもとで長く修行し、日夜、おこたらずに参究した。松蔭寺から二十里ばかり離れたところに庵居...
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逸話(12)白隠門下 その7-快岩古徹と大休慧昉

「東の白隠、西の古月」と並び称された古月のもとで共に修行し、後に縁あって白隠のもとで大悟した二人の禅僧の逸話をご紹介します。 甲斐(山梨県)の快岩古徹和尚は、古月禅師に参じて仏法の一大事を悟った。その時、後に岡山の井山宝福寺の住持となる大休...
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逸話(11)白隠門下 その6-峨山慈棹(2)

前回に続いて、峨山慈棹禅師の逸話を2話ご紹介します。 1)峨山和尚―柏樹賊機の公案― 峨山和尚は、松蔭寺で修行中、寺尾という所に庵居し、〈疎山寿塔(そざんじゅとう)〉の公案に参じていた。 ある日、ハタとその公案がわかり、思わず手に香炉を捧げ...
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逸話(10)白隠門下 その5-峨山慈棹(1)

今回は、白隠門下の高足、峨山慈棹禅師の逸話をご照会します。峨山禅師の逸話と言うより、師匠である白隠禅師や東嶺禅師の顕彰をされているお話ともいえます。 峨山和尚は修行者に教えられた。 「わしは、二十年の間、全国各地を行脚して歩いた。その間、三...
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逸話(9)白隠門下 その4-遂翁元盧(2)

前回に続いて、遂翁元盧禅師の逸話をもう一つ。 白隠禅師が八十歳の年、門下の高弟たちが協議し、『大応録』を提唱する法会(ほうえ)を開いてもらうことになった。遂翁は、住持を補佐する副司(ふうす)という役職を勤めた。その時、白隠禅師は軽い病にかか...