自坊つれづれ

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柿の実

秋も深まってきました。というより、もう冬の入り口ですね。 各地の専門道場の多くでは、雲水殺しの異名をもつ「臘八大摂心」の真っ最中。今年3月の遠諱報恩大摂心に参じた雲水達も、歯を食いしばって坐っている事だろうと思います。 さて、柿の実は、年に...
自坊つれづれ

少し不思議な出来事

山や野にある寺院の御住職は経験ずみでしょうが、天井裏に小動物が棲み着くことがあります。小生の山寺も例外ではありません。夜や明け方になると、天井裏では大運動会が始まります。 数年前、雨の降る日、本堂の外で子猫の泣き声のようなものがするので見て...
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丹波の黒豆

小生の山寺がある丹波篠山の畑は、現在、黒大豆の葉が大きく茂っている。もうそろそろ黒枝豆として出荷されるだろう。よくは知らないが、生産者の取り決めか何かで販売解禁日が決まっている。小生の山寺の畑にも十年ほど前までは隣家の檀家さんが作ってくれて...
自坊つれづれ

入寺式

先日、近隣の寺で新住職を迎える入寺式があった。この寺は一時期私も看護を務めたことのある寺で、前住職が遷化されてより20数年間ぶりに正式な住職が就任することになった。寺院の後継者不足はどの宗派でも共通の問題である。檀家数が少なく経済基盤のない...
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日本の禅語録を読む者の愚痴

日本の禅語録を読むことを仕事としている小生は、正直言って、唐代(ある先生が唱えられた「純禅の時代」)の語録を研究しておられる先生方がうらやましい。これはもちろん、いわれなき愚痴である。唐代語録研究者のご苦労は十二分に承知しているし、その恩恵...
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摩訶不思議な仏縁

上の写真は、自坊の本堂中央に掲げられている木製の扁額です。ちょっと読みにくいでしょうが、右から「瑠璃殿」と書かれています。自坊のご本尊は薬師瑠璃光如来(秘仏)なので、この額が掲げられているのでしょう。私も、そして父もこの額がいつ掛けられたの...
禅のことば

サルスベリの花

八月に入り、いよいよ夏も本番である。山寺のムクゲは、数を減らしながらも、咲いては落ち、落ちてはまた別の花が咲き、小生に、人生の無常と、その無常の中で、どう生きていくのかということを考えさせている。 そのそばにはサルスベリの樹が植えられている...
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人の不安の声を聞く

先日こんなことがありました。 暗くなってから自坊に帰ると閑栖和尚がいうに、近所に老夫婦だけで住まわれている檀家のAさんのご主人の方からついさっき電話があって、「嫁さんが見当たらんけど、お寺にお邪魔していないか」と聞いてきたと。来られた様子が...
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ホトトギスの鳴き声

さすがに我が山寺も「ホーホケキョ」は消え、「テッペンカケタカ」の大合唱である。ホトトギスは群を作らないから、大独唱と表現すべきか。もちろん「テッペンカケタカ」と鳴くのは、ホトトギスである。 日本では、「子規」の字が当てられることが多い。「子...
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「ホーホキョ」から「ホーホケキョ」へ ―ウグイスの学習

小生の山寺では、7月だというのに、まだウグイスが鳴いている。一方では、ホトトギスも鳴いている。こちらでは「ホーホケキョ」、あちらでは「テッペンカケタカ」と、無風流の小生にとっては、やかましくてしょうがない。 こんなウグイスを、「残鶯」「晩鶯...
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梅雨に映える

今年の梅雨は雨がよく降りますね。でも関東ではダム湖に水がなくなってきて取水制限をしているところがあるとか。関西ではそんな感じは受けないのですが。 さて、そんな梅雨のジメジメした季節ですが、雨の中でもひときわ映えるのが紫陽花。京都の宇治市にあ...
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撃竹聲(げきちくせい)

自坊の西門(集落に通じる門)は約15年ほど前に、古い門を取り壊して再建しました。ちょうど私が師匠と住職を交代したときのことです。 (株)タイナカに葺いてもらった茅葺き屋根も15年も経つと、とくに陽の当たらない方は苔むして、落ち着いた面持ちに...
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ねはんさん

今日は仏涅槃会の正当ですね。先般2月4日のサンガセミナーでは、大本山妙心寺に伝わる涅槃図をつかって、そして翌日には大分万寿寺で近隣のお寺所蔵のものも含めて三幅の涅槃図を並べて、岡澤恭子さん(長野市長谷寺ご寺庭)に、涅槃図お絵解き講座をお願い...
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自分たちの街を知る

近頃の子供達の遊びは、うちの中でのことが多く、あまり外で遊んだり、友達の家を訪ねたりということが少なくなっているようで、私たちが子供の頃には当たり前に知っていた他の集落のことを全く知らないのです。 前にもこのブログで書いたこともあろうかと思...
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花祭り 釈迦降誕会

本日は、お釈迦様の誕生日。お花祭りです。 自坊の本堂でも花御堂に誕生仏をお祭りし、お釈迦様の誕生の時に天から降り注いだといわれる甘雨にみたてた甘茶を潅ぎ、お勤めをしました。 私が子供だった頃には、あたりの田んぼにはレンゲの花が一杯でしたので...