自坊つれづれ

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親子の坐禅会

毎年この時期に行なわれる地域の交流を深めるための行事に協賛して、その体験活動の一つに、自坊での坐禅会を組み入れてもらっている。 自坊の檀家さんの子供たちではないため、今まで坐禅などには縁のなかった子供たちとその保護者の人達を対象としている。...
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山寺のある一日 -その1 犬小屋で経を読む-

あれは、わたしが、この山寺に入寺してから、間もない法事の席であった。ある檀家さんのお爺さんの三周忌の法要である。お葬式は、先住さんがなされ、先住さんの遷化後、一年を経て入寺したわたしには、そのお家のことは、何もわからない。しかし、法事は、厳...
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秋の恵み

研究所では、職員の寺で採れた季節の恵みがよく届けられます。 実りの秋、今回は丹波の寺で採れた立派な栗! この立派さに加え、「丹波栗」というブランドネーム?でしょうか。 丹波の豆、栗、などと聞くとわくわくしてしまいます。 あと一ヶ月もすれば丹...
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“真実不虚”の布施

「和尚、お経ばかり読んでおらんと、年寄りを遊ばせるのも、和尚の仕事やで」と、檀家総代から言われたのは、自坊へ入寺して、1年ほど過ぎた時だった。住職になってから間もなく、“年寄りを遊ばせる”という意味がよく分からず、ポカンとしているわたしへ、...
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七日盆(なぬかぼん)と招き幡

8月7日を盆の入りとして、七日盆という。 この日、筆者の自坊では、朝早くから作業着を着た檀家さんたちが集まって見え、本堂にてお勤めをした後、墓掃除、草刈り、境内清掃など全山清掃を行なうのだ。 それとともに、お盆にお精霊さん(おしょらいさん)...
禅のことば

百日紅

木登りの上手な猿も滑りそうな木だから「さるすべり」と呼ばれる百日紅。 また百日間ほど花を紅の花を咲かせることから、この「百日紅」と書かれるのであろう。 猿が上るほど大きな木ではないが、自坊にも5本ほどの紅白とりまぜた百日紅があり、今年もお盆...
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お盆前の一仕事 -庭木の剪定-

今年は猛暑だと言われているが、今のところは冷夏とも言えるような涼しい毎日ではある。 それでもようやく近畿も梅雨が明けたからこれからは暑くなってくるのだろう。 そしてお盆がやってくる。 筆者の自坊では、お盆までには境内の木々をきっちり刈り込ん...
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お仏壇の購入

つい先日、自坊の檀家の独居老人のAさんの家に、年忌にあわせて購入された新しいお仏壇の開眼に出かけた。 今まではご縁のある方から譲ってもらっておられた古いお仏壇で、宗派様式が禅宗とは違うものだったので、それを処分して、新しいお仏壇にされたのだ...
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燕の巣立つころ

各地が梅雨入りしたという。 今年の梅雨は入りが遅いが、その期間も短いらしい。じめじめした季節は心地よくないので、それはうれしいことではある。 毎年5月、自坊の玄関に燕が巣作りにやってくる。去年巣だった子燕達が戻ってきて巣作りをするのだとか言...
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木蓮

一気に春になりつつあるこの頃である。 今年も自坊の白木蓮(はくもくれん)がきれいな花をさかせている。 ところが、いわゆる木蓮と白木蓮は別種なのだそうである。 雨上がりの朝、花びらを濡らせて、その白を一層引き出させている気がした。 自然の色は...
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大般若祈祷会

11日の日曜日、不肖の自坊にて、大般若経を転読する祈祷会を行なった。 ひどい北風が吹き荒れ、吹雪になったかと思えば、陽が照ってポカポカと暖かくなったりで、一日の中で三寒四温を思うような日となった。 この大般若祈祷会は、本来、お正月の三ケ日に...
本の刊行

いのちについて思う

先日「硫黄島からの手紙」という話題の映画を見た。戦局の最先端にいて殺し合いの末に命を落す人、弾薬が底を突き戦うことができず自害していく人、敵に投降したにもかかわらず殺される人、そして戦地に愛する人を送って国で待つ人……。戦時中に生きていた人...
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イチョウの大木

私の寺の境内には大きなイチョウの木がある。 イチョウは保水性が高く、防火樹としても知られ、昔から社寺の境内等で広く植えられてきた落葉樹である。 年配の檀家さんの話によると、村に小学校が出来た時に、校庭と寺とに1本づつ植えられたというから樹齢...
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慧玄が這裏に生死なし

去る12月12日、神戸市の山寺に住まっていた筆者の兄弟子E師が京都にて急逝した。享年56。 教区の支所長として、大本山妙心寺の開山、無相大師の開山毎歳忌に参列し、そのあと、修行時代の仲間との久しぶりの宴席で酒を酌み交わした後のこと。あまりに...
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丹波の黒豆 語録の黒豆

去る十月のある日、晴天の秋空のもと、丹波特産の黒大豆枝豆(黒豆)の収穫に精を出した。 自坊の畑に植えられた黒豆を収穫するのだ。 京都の某僧堂から、五人の雲水さんに助っ人に来てもらっている。 今年、引き手で来た雲水さんは、僧堂歴六年目で、彼が...