季節の色


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少し元気の無かった日、行きつけの大好きな花屋さんにて、元気をもらいたいと黄色いミニブーケをお願いした。
相変わらず最高にかわいい出来栄えなのだが、何かが違う。
そう、もう秋がそこここへ来ているというのに、この真夏のような元気な黄色が自分の中でえらくちぐはぐなのだった。来たる季節を意識して模様替えした部屋の雰囲気からも随分浮いている…。
花屋内は秋の色であるし、私もなんとなく日本人的発想なのか「いくら暑くとも、もう真夏っぽい格好はなんとなく嫌だな。少なくともサンダルはやめよう」などと思ったりするわけで…。
そんな事を思うと、花(の色)を選ぶ時は、着物を着る時の色の選び方とだぶるという事にきづいた。どちらも季節を大切にするわけであって、日本人はやはり四季と共に生きているのだから。
私がとりわけ気をつけたいと思う難しい季節は、季の変わり目、具体的に言うならば、ちょうど料理屋などで“はしり”のものが出されて喜ばれる頃である。
過ぎゆく季節の名残を存分に残しすぎるとやぼったく、えらく遅れている気がするし、かといってあまりに迎える季節を意識しすぎると、それはそれで早すぎて重く、昨今の日本の気候事情を考えると、見た目上よろしくない気もする。
周りの人間がそんな事を気にしていようがいまいが、自分が気になるのであればやはり気をつけつつ生きてゆくべきで、こんなにうるさい事を言って人に疎まれようと、私は気にせずあーだこーだと持論を繰り広げるのである。