木曽の名刹 定勝寺 その2


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庫裡内部の書院には、「定勝寺棚」と言われる立派な棚や、欄間や障壁画など、目を見張るものばかり。
御所蔵になられている宝物も逸品ばかりで、そのうち15点ほどの撮影をさせていただいた。
拝観も可能なので、付近に赴かれた際には、一度訪ねてみてはいかがだろう。
ちなみに、皆さんがよく口にするであろう蕎麦は、麺として切られた蕎麦。昔はそば粉を練っただけの「蕎麦がき」と区別して「蕎麦切り」と言われていたが、最も古くこの蕎麦切りの存在が記されている文献が、この定勝寺に残っている寄進記録であり、同寺では「蕎麦切り発祥の地」としている。


ところで、話は変わるが、中津川から定勝寺へと向かう国道19号線沿いの木曽川の対岸に、「読書発電所」という発電所がある。以前からここを通るたびに、この発電所をなんと読むのだろうと思っていた。「どくしょはつでんしょ?」 とすると、読書をする人達のために電気を作ってくれているような気がして、本に携わる仕事をしているものとして、なんとなくうれしい名前だと思っていたのだ。
この謎を定勝寺の総代さんがあかしてくれた。「よみかきはつでんしょ」と読むのだそうだ。
読書村(よみかきむら)というところにできた発電所であるからであるが、この読書村というのは、明治時代に、与川村(がわむら)・三留野村(どのむら)・柿其村(かきぞれむら)が合併して付けられた名前だと聞いて、なんともユニークだと嬉しくなった次第。今はもうないようだが、以前は、「読書小学校(よみかきしょうがっこう)」という学校があったとのこと。みんなよくお勉強ができたのではないだろうか。