南禅寺近くの野村美術館にて、『秋期特別展 一樂二萩三唐津』が開催中です。
茶の湯の稽古をしていれば必ず一度は聞いたことのある響きで、当たり前になっていますが、そうでない方にはもしかして不思議な響きなのでしょうか。
「いちらく にはぎ さんからつ」です。
抹茶碗として茶人に愛され、親しまれる三つの窯を列挙した言葉なのでしょうが、時と場合により“何がふさわしいか”は違って来ますので、私は、何が一番で…というような事は無いと思っています。それでもやはり、この三つの窯のものとなると一種特別の思いを抱くという事は確かにあります。
正統派の逸品が、「これでもか!」と、お腹いっぱいになるまで楽しめる野村美術館。
世界から集められた“見立て”の逸品が面白い、小林一三のコレクションを展示する逸翁美術館も大好きですが、能も嗜んだ野村得庵(野村證券創業者)の稟とした正統派コレクションも「やはり素晴らしいものだなぁ」と……。
この時代の政界人・財界人のように、現代の要人達も茶や能を嗜んだなら、日本も少し変わるのではないだろうか?!と本気で私は思っています。
12月5日まで。秋の散策と共に是非。