いつもその展観の名に、どんなお道具が並ぶのかと楽しみな北村美術館にて、秋の展観が始まっています。
-秋佗ぶ-
洋の東西をとわず人間の感性には、秋が深まるほどに佗びしさが募るところがあります。そのような思いを取り合わせの展示のなかに含め、秋季展の企画をいたしました。
との事。なんとなくものがなしい秋。春から夏にかけて生き生きと生命力を湛えたものが、だんだんと朽ちてゆく様を見るこの季。
それでも、四季ある国に生まれた私達は、それも循環の一つで、秋に朽ちゆくものたちに、わびしさや儚さのみを見るのではなく、朽ちゆくものたちの“美”を知っています。そこからまた新たに始まる再生をも知っているからでしょうか。
朽ちゆくものも、消えてなくなって終わりではない、そこからまた新たに何かが…という循環の感覚。
祖先から受け継いで来た感覚というものは、時代を経ても変わらぬものなのでしょうか。大切にしたいものです。
今回の展示は、この“秋”の気持ちを存分に味わえるようなものとなっています。
その季節を存分に味わい、季節の移り変わりと共に自分自身をみつめる。そのサイクルを繰り返し、人生を味わい深いものにしてゆく。
いつもいつも、茶の湯の道とはどえらいもんだなぁ…と思わざるを得ないのでした。
12/5まで