太宰府を訪れるなら、太宰府天満宮はもちろんかと存じますが、すぐ近くに東福寺派の禅寺があります。光明禅寺です。
天満宮は日本人のみならず、韓国や中国からの団体で溢れかえっていますが、こちらは私が訪れた際には1人きりでした。
どこまでも続くかのような緑の世界を堪能。雨の後で、空気も洗われ、しっとりとした苔の色も鮮やかで、その趣きはえも言われぬ程。
紅葉の時期の美しさはいかばかりか…と後ろ髪惹かれながらこのお寺を後にしました。
初めての太宰府でしたが、天満宮よりも、九州国立博物館よりも(すみません)、一番深く心に残ったのは、ひっそりと佇むこの小さな禅寺なのでした。
余談ですが、私にとって太宰府といえば憧れの菓子屋、藤丸さん。
茶室へと誘うかのような路地を入ってゆくと、これまた茶室のような空間の店舗。
以前、京都で有名な骨董屋の主が店で抹茶とともに出して下さった菓子、清香殿。
その際は御製を尋ねるのもはばかられ、大徳寺納豆が使われていた為、勝手に京都の菓子と思い込み、帰って調べれば太宰府のもの。太宰府を訪れた際には是非にと思っていたのでした。美しくあまりに上品で、口に運ぶたびに感動します。
太宰府に、禅と茶の湯の文化を見た至福の一日でした。