小泉淳作展 -なんば高島屋-


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日経イベンツガイドより転載

『平城遷都1300年 光明皇后1250年御遠忌 東大寺本坊襖絵完成記念 小泉淳作展』を見に、大阪高島屋を訪れました(既に終了)。
聖武天皇と光明皇后の治世の元、仏教文化が花開いた奈良時代。華厳宗の世界観を現すかのような色鮮やかな襖絵の数々に魅了され、天皇皇后の慈悲深さまでもが伝わってくるような御影と、それを祝福するかのような鳳凰や飛天の襖絵。
宗教と人間の生死・それを超えた所を現しているかのようで、なんともいえない感情の高ぶりを覚えました。
80歳を超えてこの大作に望まれた小泉氏の、「我我と、我があってはあんな事はできない。無になって制作に励んだ」ということばと、物を見るという事についての彼の研ぎ澄まされた感覚に、笑われそうですが、私もあのように生きていたいと思ったものです。
蕪一つを描いた墨絵にしても、蕪が生き生きと生きていました。命あるものの中にある仏性というのでしょうか、光を完璧に捉えて、描いていらっしゃる気がして、それは尊いものでした。
小泉淳作先生といえば、我々の間では臨済宗本山の建長寺・建仁寺の法堂龍図であって、実はお恥ずかしい事に、それ以外に作品を拝見する機会が今までありませんでした。東大寺の御遠忌のおかげでこういった展観が全国で開かれ、私にも目にする機会が巡ってきた事に改めて感謝した一日でした。
鎌倉建長寺・京都建仁寺の法堂龍図はこちらからご覧下さい。