『和顔愛語』中国語版刊行 -李建華 北京だより-


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“黄山書社”によって中国で出版された中国語版『和顔愛語』が、今日から全国各地の新華書店へ配布しはじめている。
注文部数は当当ネットブックショップなど大手では一口1000冊仕入れていることもあって、既に予定刊行部数の5000部を超える好調ぶりなので、出版社の“黄山書社”は各地への分配は適当に均して行き渡るように配本せざるをえなかった。この勢いではまもなく増刷になるだろうか。楽しみである。
この中国語版『和顔愛語』は、禅文化研究所が山田無文老師の膨大な法話や提唱の中から厳選した164編を李建華・楊晶が翻訳をつとめてできたものである。
中文化すると字数が少なくなるため、中国語版は姉妹書だった原書の『和顔』『愛語』を一冊に仕上げた。
禅文化研究所の初代所長、臨済宗妙心寺派管長、花園大学学長をつとめ、中日両国仏教文化の交流や臨済祖庭復興の事業において多大な貢献をなされた山田無文老師は、生前1957年をきっかけに中国を三回ほど訪問し、その最後の訪中に、1980年6月日中友好臨黄協会第一次訪中団の団長として来られた時に、李建華が通訳をつとめて中国の正果法師とともに北京の広済寺、霊光寺、河北の臨済禅寺、趙州柏林禅寺、河南の嵩山少林寺、杭州の霊隠寺、上海の玉佛寺などの禅林に同行致した。
和顔愛語そのままの無文老師が当時まだ26歳の通訳にすばらしい印象を残して下さった。それから12年経った1992年に禅文化研究所に入ったのも、この因縁によるかもしれない。『和顔愛語』の翻訳は、老師に対する深い思い出を形にしたものである。