心の込め方


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「お見送り」について皆様はどうお考えですか?
と書きますと、うちの研究所の場合、「死者のお見送りについてですか?」と言われそうですが、今回は違います。
でかける人を見送る、「お見送り」についてです。
先日、はっと息を呑むほどに美しいお見送りの姿を目の当たりにしました。
あまりに自然にササッと部屋から廊下へ出て(とある場所で食事をしていた時です)、正座をし、「行ってらっしゃいませ」と、相手が見えなくなるまで見送る姿。
「今どきそんな…」、「男尊女卑!?」、「なぜ女性だけが」と、色々な声が聞こえてきそうですし、夫婦共働きの家庭が増えているので、当てはまらなくなってきているのかもしれませんが、あのように見送られたなら、男性はさぞかし「今日も一日がんばるぞ。よし、行ってくるぞ」と思えるのでしょうし、お互いに気持ちの良い事だろうなと思ったのでした。
心を込めるという事は、所作でもモノでも何でも、こちらをハッとさせるほどの美しさがあり、感動と学びを与えるものだな……と感慨深く。
例え相手と喧嘩をしていても、気分が悪くても、きちんと見送るという事を毎日の決まりにしておけば、身体と心は繋がっているので、その所作がまた心を支え、自分のいたらなさや相手との関係性についてを改めて考えさせてくれるような気もします。
また、お見送りと同様、お出迎えも大切ですね。
更に、「うちでは見送る時は火打ち石を鳴らして、主人でも息子でも見えなくなるまで見送ってる。いつも後悔の無いように、これが最後かもしれないという気持ちは常に持っている」という話も違う女性から聞きました。
今日のお話は2人とも以前、禅文化研究所に勤めていた大先輩の女性達。
研究所にて、少なからず禅に縁と関わりを持って生きた女性らしい2人の在り方に、とても尊い教えをいただき、あのように歳を重ねなくては…と思ったのでした。