自坊の裏庭にある山椒の木が花を咲かし始めた。花が開くのは雄木のほうで、実のなる雌木と比べ山椒独特の香りも柔らかい。
開花する前の段階で花を摘み取ってゆく。鋭い刺に注意しながらの素手の作業になる。半日かけてボール一杯ほどの収穫となった。
これを細切りの昆布と共に醤油、酒、味醂等でじっくり煮込むと花山椒の佃煮の出来上がり。香りと共に舌にぴりっとくる辛みは、あつあつのご飯のお供として、酒の肴として、この季節で最高の一品となる。
若葉はこれから檀家さんから頂くであろう筍と木の芽合えや若竹煮の薬味として重宝する。旬のものを味わう楽しみは格別である。