ここ数年、禅僧の書画図録を作成する仕事が続いている。
ごく最近でも、東陽英朝禅師、雲居希膺禅師、愚堂東寔禅師といった高名な禅師方の書画を、関係寺院に出向いては、撮影させてもらってきた。
ほかにも、ご縁があってご寺院を訪ね、御所蔵の書画什物を資料として撮影させていただく機会も増えてきた。
こうして蓄積されるデジタルアーカイブをデータベースとして保存していくことは、禅文化研究所としてやるべき事業の一つではないかと感じている。
そんなことから、禅文化研究所の本年度の事業には、「禅の至宝(禅文化財目録整備事業)」とともに、「一般寺院什物データベース」を企画している。
将来的には、これら2事業をまとめあげた、「禅文化のバーチャル博物館」をインターネット上に公開したいと計画している。
ところで、冒頭にあげたような図録の作成の場合には、主にその寺院の開山様であることで、その当時からずっと所蔵されている書画である場合が多い。しかしながら、長い歴史の中で収集などされて集まった書画を、寺院什物として所蔵されている寺院も少なくないのである。
そういった寺院を探して訪ね、そのデジタルアーカイブを研究所で保存させてもらうことをお願いし、それとともに所蔵目録となるようなデータベースを作成して提供できるというような事業である。
つい先頃、上記の一環で訪ねたご寺院では、主に白隠下の東嶺・遂翁・霊源・卓洲・隠山をはじめとする多くの禅僧書画をご所蔵されていて、なかなか圧巻であった。
冒頭の写真は、その中の1点で、遂翁画賛の「四睡図」ある。