和紙の品格―山崎吉左衛門作品展 -得浄明院-


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京都は東山区、知恩院近くにあります信州善光寺さんの別院、-得浄明院-にて、檀紙制作の第一人者、山崎吉左衛門氏による様々な檀紙の展観と、山根折形礼法教場、山根一城氏による“折形”の展示がありましたのでお邪魔してきました(5/13まで)。
その歴史を600年前にまで遡る事のできる“折形”。皆さま御存知ですか?
様々なものやお金などを和紙で包み、人様に差し上げる。その方式の事を“折形”といい、送る物の格や金額に応じて使う和紙から折り方、包み方など、様々な決まりごとがあります。
四季や陰陽までをも考える為、様々な知識とセンスが必要な上に、一度折り間違え、筋がついてしまった紙は二度は使わない、精神統一を必要とする礼法で、まさに日本の“道”というべき世界に誇る文化です。


以前とある所でみかけた折に、何と美しい心の配りようだろう……と感動しながらも、なかなか拝見する機会がありませんでしたので、今回は楽しみにでかけました。
ちょうど、山根折形礼法教場の先生が来場されており、様々な事を教えていただきました。
日本の精神的土台を支える、美しくゆとりある文化。
こういったものは、例えば今回の震災における復興には、直接繋がらないように思えても、根底で我々を支えてくれ、今後の日本の在り方に不可欠だと思います。
習ってもいないのに、何故か「絶対に残さねば」と、熱くなる私でした。
ちなみに、上等の帯や反物を差し上げる時には、格を揃えてこれまた上等の檀紙を使うようです。
例えば反物は、巻かれている状態だと円筒形で丸なので陽、水引きは片輪結びにて結びを一つ(陰)にするそうな。なんて素敵なのでしょうか。
誰か帯や反物をこのようにプレゼントしてくれないものか……などと一人想像の世界に浸るのでした……。もちろん自分自身も、大切な人へのプレゼントを、このように心込めて包んでみたいものと切に願うのでした。
少し勉強してみたい気持ちになっています。
美しく品格ある檀紙と、ものを和紙で包み、折る事を道にまで極めた折形、13日まで開催中ですので、是非ともおでかけになってみて下さい。なかなか機会がございませんので、できる限り多くの方にご覧いただきたいと切に願っています。