長沢芦雪 奇は新なり -MIHO MUSEUM-


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6月5日で終了しましたが、ミホミュージアムで開催されていた長沢芦雪展へと足を運びました。
御存知、円山応挙のお弟子さんなわけですが、応挙とは違って、-奇は新なり-との副題がある通り、我々(当時の江戸の人々)をあっと思わせるような息のむ作品が並びます。
ですが、何も彼は奇をてらって作品を描いたのではなく、彼の心の中には、楽しいことが溢れており、それを表現したり、仏教を題材にしたものも多い事から、彼と寺との関わりや信仰心から表現されていたり、とても自然なものと感じ、とても好ましく拝見しました。
富士山に郡鶴の図なども、彼にはあの風景がみえていたのだろうと思うのです。
唐子や犬がころころと丸くて、もう誰がみえても微笑ましくなるような柔らかさ、温かさ、可愛らしさを感じるように描かれていますが、それも彼にはそう見えていたのだろうな……と思うのです。それをただ、表現しただけ。
凡人には“奇”に見えたりするわけですが、なんとなくこの奇という文字に違和感を抱いた私でした。我々凡人が見えないものが、彼には見えていた気がします。素晴らしい!の一言につきる展観でした。
芦雪の作品を一挙にこれほどたくさん楽しめる展観、素晴らしい美術館が比較的住まいから近い所にある事を改めて嬉しく思う休日でした。
関西にご旅行に来られる方には、少々山の中で時間はかかりますが、是非とも立ち寄っていただきたいと思う美術館です。