重春 -北村美術館-


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6月12日(日)まで開催中の北村美術館(京都市上京区)の展観、“重春”。
昨年旅立たれた表千家の重鎮・久田宗也宗匠の御著書『重春 四季の茶心』から“重春”という名を拝借し、そのテーマにちなんだ茶道具の展示となっています。
いつも思うのですが、こちらの美術館では、茶事において必要な道具が茶事の流れのとおりに展示されており、茶事全体を通しての道具の組み合わせ方、季節感の出し方など、“流れ”を感じられるのが特徴で、勉強になります。
久田宗匠のご著書から拝借されたという“重春”の名に、日本の季のうつろいのなんとも美しい事を改めて感謝し、久田宗匠が後見をつとめられる茶席の、お人柄がそのままに滲み出たような、やわらかい温かさまでをも思い出すのでした。