大学を卒業して間もない頃、何もわからぬままに(今もわかりませんが)骨董街をウロウロとしていた私は、とある店の前で白く静かに輝く白磁の壺(李朝の壺)に惹かれて立ち止まりました。そして、若さゆえか何の躊躇も無く、一見さんお断りのようなお店の中へと入りました。
「若いのに李朝に関心があるとは嬉しい」と、様々な事を教えてくれた店の店主と、民芸運動の柳宗悦氏の話などになった時、当時の私は李朝の雑器などの美しさを再認識し、世にしらしめたのは彼だと思い込んでいたのですが、一冊の本を渡されました。『白磁の人』江宮隆之著。
まさに、今回の展観の主役。浅川兄弟についての本なのでした。
韓国を愛し、韓国の人々に愛され、その土となった人。
日本人とは、日本人の感覚とは、、という所をしりたい方には是非読んでいただきたい一冊です。そして、東洋陶磁美術館、何度も訪れていますが、今回の展観が一番素晴らしいと思っている私です。
7月24日(日)まで。是非お運び下さい。