金戒光明寺は、浄土宗の大本山で、地元の人は、-黒谷さん-と呼んで親しんでいる。
京都で、タクシーの運転手に金戒光明寺と言ってもわからない事もあるそうだ。
高台にあるこのお寺、京都の風景を見下ろす事が出来るので、参拝しては四季折々楽しませていただく。
今回は、京都非公開文化財特別拝観にて、山門が公開されていたので訪れた。
以前の特別拝観で、新緑の季節に山門を登らせていただいた事もあったが、秋は初めてだ。
東山の紅葉の具合がひと目にわかり、京都中を見渡せる。
京都市には、景観保護の観点から、ビルなどの高さを制限する条例がある。
全体的に低い町並みではあるが、それでも、四方を山に囲まれた事を利用し、美しい借景の庭などがたくさんあったが、その景観は近年損なわれていっている。
そんなさなか、これ以上美しい景観を損ねる事の無いように、京都市はさらに厳しい規制を盛り込んだ景観施策案を発表した。
山門の上から見ていても、やはり高いビルなどは無い方が町並みが美しいであろう事は、容易に想像がつく。嬉しい試みである。
話は戻って、黒谷さんの山門の上には釈迦三尊と十六羅漢、さらに天井には龍の画が。
それはそれは立派なものである。
また、本堂には吉備観音(重要文化財)もあり、拝ませていただいた。
幕末には、会津藩主松平容保が京都守護職に命ぜられし折、本陣を置いていた。
城構えである事、千人の軍隊が駐屯できる事など、その理由はいくつかあったようだ。
会津藩士達も、今は静かに三重の塔のふもとに眠っている。