水無瀬神宮 月釜


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大阪府三島郡、水無瀬神宮での月釜にお邪魔して参りました。
亭主は、以前弊所でも大変お世話になりました、堀内宗心宗匠。
この日、私が何よりも深く感じ入りましたのは、節度あり、常に精進ある日々の暮らしや心の在り方、積み重ねてきた鍛錬修練…といったものは、隠そうにも隠しきれない輝かしい光、雰囲気となってその人が身に纏い、また、その人の周りにいる者への熏習(くんじゅう)計り知れないのだな…という事でした。
宗心宗匠が亭主のこの日の水無瀬神宮は、茶室内のみならず、外にもその御心、御人柄が満ち満ちているようで、暑い暑い一日でしたが、なんとも爽やかで穏やかな素晴らしいひとときを味わえたのでした。
男であるのか女であるのか、お歳を召されているのか赤ちゃんなのか、宗匠を拝見していると、もう色々な境界が取り払われているようで、何の角も無く、まぁるくていらっしゃるのです。
長い間坐禅、参禅修行をされ、茶の湯の道への精進を今のような地位になってなお怠る事の無いお方だからこそなのでしょう。
一言も発されずとも、本当に大きな素晴らしい道を指し示して下さるのです。自分も一生、凡夫ながらも少しずつでも精進してゆきたいと気を引き締められる思いなのでした。
茶会とは、もちろん茶室内の亭主の心入れやもてなしを学ぶ場でもありますし、一服いただいて浮世の様々を忘れるひとときでもあるのでしょうが、この日に感じた精神をこそ、学ぶ時間なのであるな…と、改めて自分の人生と共に茶の湯の道がある事を有り難く思ったのでした。
日々の生活そのものというのは、隠しきれないものとなってその人から滲み出ます。
日々ご一緒に精進致しましょう!