動物天国

このところの自坊での困りごと。
天井裏、といっても庫裡の1階と2階の間の部分を、朝方になるとドタバタゴソゴソと歩き回り、夜中の間に台所に忍び込んでは、テーブルの上にあるお菓子や食料を食べ散らかす輩がいるのです。
どうやら台所への進入路は、古い庫裡の屋根裏部屋かららしいと思い、そこから台所に来られないようにと障子戸を閉めきっておきました。
なんと、今度はその古い障子戸の古い障子紙をも突き破り、まんまと侵入される始末。えーいとばかり、古い障子を新しい障子に張り替えました。
にしても屋根裏徘徊による、こちらの睡眠不足は、猛暑と相まって甚だしい。
そう、この侵入者はイタチなのです。まさしく「イタチごっこ」状態です。
昼間には、庫裡から竹藪に走り込んでいく細長い、その体を目撃したりもします。
平素は単独行動をするというイタチですが、今は4月頃に生まれたであろう子供を連れた母親が、餌の確保に忙しいのでしょう。でもまぁ、そろそろ子育ての時期も終わり、暑くなってきたので家の中にはいないで、涼しい水辺に移動するようですから、そのうち静かになってくれるでしょうか。
そんなおり、窓の外に動く黒い生き物を発見。猫かと思いきや……。ごらんの通りの立派な痩せたタヌキと目が合いました。
毎年と同じくツバメの雛が巣立ち、亀が境内で産卵し、イタチが蠢き、タヌキが腹鼓……。
なんともまぁ、賑やかな田舎の貧寺のお話でした。


20110712-tanuki.jpg