功名が辻

12月10日の日曜日、大河ドラマ「功名が辻」が最終回を迎えた。
ご覧になっていた方々も多いだろうが、いかがだっただろうか?
私は毎回毎回、面白く、感動を覚えつつ見させてもらった。
実はこれまで、あまり大河ドラマに興味がなかったのだが、今回の「功名が辻」は興味を持って見てしまった。
まず、原作者が司馬遼太郎であること。それから、筆者は滋賀県に住まうことから、長浜を中心にする話の展開に興味があったのももちろんであるが、仲間由紀恵演じる千代や、一豊役の上川達也をはじめとして、キャスティングがよかったこともあるだろう。
実は私は「石田三成」が好きなのである。司馬遼太郎も三成が好きだったと、何かで読んだことがある。司馬の『関ケ原』は、明らかに三成側に立って書いてあるくらいである。
ドラマ上では数回前に、関ケ原の戦いにおいて、豊臣軍につくそぶりを見せながら徳川についた武将たちの裏切りにあい、結局負けて落人となってしまった正義の人、豊臣に義を尽くした三成である(ドラマでは中村橋之助が演じていたが、これまた素晴らしかった)。
そういう視点からみると、山内家存続のために豊臣を裏切ったといえる一豊は、三成の敵であるが、そのあたりが「功名が辻」のテーマそのものであるから、なんとも言えない。


実際にいたのかどうかは分からないが、ドラマでは六平太という甲賀者がいる。千代と幼なじみであるために、生涯、影で千代のことを支え続ける人物である。
彼は前回のドラマの上で、山内家存続のための使命を果たして、想い続けた千代に抱かれて亡くなっていった。
そして最終回、千代の内助の功もあり、土佐一国一城の主となった一豊も千代に抱かれて亡くなった。
戦乱の世を生き抜いて、そして、力を使い果たして、大切な人の腕の中で亡くなっていった。
功名とはなんのだろう、人の一生はなんなのだろう。
何のために人は生きて死んでいくのだろう。
二人の死に様がとても印象に残って、こんなことを感じていた。