今日から立秋になりました。
夏が終わり、秋の気配がしだす頃をいう二十四節気の一つではありますが、実際の今は、秋という字が適わない夏真っ盛りで、これから関西ではお盆だというのに、秋などまだ実感できません。
ですが、あっと言う間に「カナカナカナ……」と哀愁を誘うヒグラシも鳴き、朝夕がぐっと涼しくなる日もそう遠くはありません。長かった日照時間もどんどんと短くなっていくことでしょう。
さて、「夜来驚起落梧声(夜来、驚起す、落梧の声)」という句があります。梧桐(アオギリ)の葉が落ちる音で、立秋を知ることをうたっています。また『長恨歌』に「春風桃李、花開く夜、秋雨梧桐、葉落つる時」という歌もあります。
とくに太平洋側の暖かい地域で街路樹としてときどき使われている、葉っぱの大きな木が青桐(アオギリ)です。
中国ではこの大きな葉っぱがハラハラと音を立てて落ちだすと、立秋が来たなぁと感じていたようですね。これを「梧桐一葉」という熟語にもなっているようです。
転じて、「わずかな前兆から、ものごとの衰退を察知する」という意味で使われています。