上の写真は、京都市北区の等持院(臨済宗天龍寺派)です。このごろ、研究所ですすめている事業に関わる仕事で京都市内の臨済宗・黄檗宗寺院を駆け巡っているのですが、先日訪ねた等持院にてスマートフォンで撮影したものです。真っ青な空が見事でしょう。
さて、明後日(10/9)は、二十四節気の第十七番目の「寒露」です。
昼はカラッと晴れて青空が澄み渡り、昼でも宇宙を感じるような空ですが、だんだんと太陽が西の山に落ちる時間が早くなり、日が短くなってきたなぁと感じますね。
雁が飛来し菊が咲きはじめコオロギが鳴き始めるのが、この寒露の時節です。
『暦便覧』では、「陰寒の気に合つて露結び凝らんとすれば也」とありますから、露が凍り始めるといったところでしょう。
『三体詩』に「池上」(池のほとりの意味)という、ちょうど今頃をうたったのであろうと思われる白居易の五言律詩があります。
嫋嫋涼風動、淒淒寒露零。
蘭衰花始白、荷破葉猶青。
獨立棲沙鶴、雙飛照水螢。
若爲寥落境、仍値酒初醒。
『三体詩(三)』(中国古典選31・村上哲見著・朝日新聞社)の訳文を引用すると、
そよそよと涼やかな風が吹き
さむざむとつめたい露がしたたる
蘭は衰えつつもやっと白い花をひらき
はすの葉は破れ裂けたがなおも青い
群をはなれてただ一羽、岸の砂の上に立つ鶴
二匹つがいになって水を照らしながら飛び交う蛍
どうすればよかろう、このわびしいとき
しかも酒の酔いは今やさめてしまったとなれば
晩年、池のほとりに隠居して、人生の秋を感じていたであろう白居易の歌です。