自分の顔

蓮葉

昨今、高額なお金を支払って美容整形をする人が増えてきているようです。
昨夜も某テレビ番組で、整形を熱望し、そして実現した人達の番組がありました。
その中で、ある若い男性が整形した自分を見てもらう為、先輩(女性)のところへ行くと、その先輩は整形した顔を見て驚き、だいぶ大人びた顔になったねといいつつも、「変な自信を持っちゃだめ。結局、大事なのは心で、あなたがどう生きていくかが問題だ」と、浮かれ気味な後輩を諌めていました。
この番組を見て思い出したのが、山田無文老師の『和顔』に収録されている、“自分の顔に自信を持て”のお話でした。


このお話の中で、無文老師が、リンカーンのとあるエピソードを例として挙げておられます。

ある人がリンカーンに、「立派な男だから使ってくれ」と言うて人を紹介したら、リンカーンは、「人相が気に入らん。顔が気に入らん」と言うて断った。「顔は彼の責任じゃありません。親が生んでくれたんだ」と言うと、リンカーンが、「人間も四十を過ぎたら自分の顔に責任を持たねばいかん」と言ったということです。

結局のところは、日々の心の持ちよう、生き方が積み重なり、四十にもなると「親があんな顔に生んだ、こんな顔に生んだ」なんていうことは関係なく、自分自信の来し方が出てくるのですね。

原著 山田無文 『和顔 -仏様のような顔で生きよう-』 2005年 禅文化研究所