ダライ・ラマ法王猊下 大阪講演でのひとこま


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チベット仏教寺院にて_ブータン

さて、先日も長々と書いてしまいましたが、本日も少し大阪講演での事をお伝えしたいと思います。おつきあい下さい。
般若心経より、“空”についてのお話をされ、「全ての現象は、それぞれの実体を持って存在しているわけではなく、あたかも幻のごとく現れては消えているのであって、現れているようには、究極のレベルにおいては存在していない。五蘊も意識も空である」というような解説があった為、中学生くらいの男の子が、
「僕と友人との友情も幻なのですか?」
という質問をしたのです。とても純粋な良い質問だなと思いました。
それに対する法王猊下のお答えは、中学生だからと真理をあやふやに解説したり、妙に易しく説くのではなく、真理は真理として、また丁寧にくわしく“空”についてを説かれました。
彼にとってはおそらくその様子から、「???」だったのでしょうが、直接法王猊下に質問をし、とても丁寧に詳しくお答えをいただけた事によって、今後自身の人生を生き、様々な事を経験し、勉強してゆく過程において、ふとこの時の事を思い出す事が必ずや幾度も訪れる事と思います。
そして、その都度理解を深めて、「あの時猊下が仰ったのはこういう事なのか」「こういう事なのかもしれない」と、自身に馴染ませてゆけるのではないかと思いました。とても貴重な体験をされたなと思います。
お答えになったのが、ダライラマ法王なのだから、我々とは違う……と思いがちですが、大人が子どもに何かを説明する際、まだわからないだろうからという理由であやふやにしたり、説明をしないというのは良くない事かもしれないな……と思いました。
「注意深くありなさい」と仰っていましたが、注意深く法話を拝聴し、考えてみれば、何時間かのお話の中に、ありとあらゆる教えが含まれている……と、今反芻している所です。また思う所があれば、皆様と分かち合いたいと思いますので、宜しくお願い致します。