『臨床僧の会・サーラ』が主催する「コンフォートハンド」の講習会を受講した。
コンフォートとは、元気づける・慰め・痛みを和らげるなどの意味を持ち、コンフォートハンドは、心理学・生理解剖学を基に構築されたハンドマッサージである。香り・言葉がけ・タッチの三つの要素を取り入れ、子どもや高齢者・病中病後の人でも簡単に実行でき、誰が行っても癒しの効果が得られるよう構成されている。
鍼灸師・薬剤師などの他に、エステの国際資格・アロマインストラクターなど25の資格を持つという夜久留美子氏の講演では、臨床の現場での心のケアの重要性とストレスを緩和するためのツールとしてマッサージの有効性を話された。コンフォートハンドは、一方的な治療ではなく、リラックスした雰囲気の中で、お互いが同じ動作をすることで交感神経や筋肉の緊張を緩和し、心を開き他を受け入れるという効果があるという。
1時間の講義の後、2名のセラピストによる実技講習が始まった。
二人でペアを組んで教えてもらった動作を交代で繰り返す。フレグランスという香料とオイルを手に馴染ませ、手先から手首まで入念にマッサージをするが、行う側は手順を覚えたり力を込めたりで、最初のうちはリラックスとはいかない。
それでも初めて手にするアロマは自然な香りで心地よく、慣れてくるとスムーズな動きとなってくる。受けている側も次第に筋肉の緊張感がゆるんでいくのが実感できる。
一回だけの体験では全てはわからないが、言葉だけでなく、手と手が触れ合うことによって互いの心を通じ合わせることのできるツールとしての可能性は感じることができた。