山田無文老師は、禅文化研究所の初代所長でしたが、花園大学の学長も長く勤められました。
当時花園大学では、春と秋に各々5日間の摂心があったようです。
全学を挙げての摂心で、教員、職員、学生は全て参加することになっていました。
ところがある摂心の前日、学生が摂心反対のストライキを起こし、学長もまじえて大学当局と話し合いが行なわれました。
学生の言い分は
「学生は勉強を優先すべきで、坐禅は僧堂に入ってやればよい」
というものでした。ワアワアと騒ぎ立てる学生に対して、最後に無文学長が、
「学長の教育方針が通らんような大学なら、わしは学長を辞める」
と言われたのだそうです。
学生たちは途端に静かになり、翌日からの摂心は予定通り行なわれたのでした。
宗門立花園大学の面目躍如、嬉しくなるお話ですね。
『自己をみつめる』山田無文