啓蟄 ―二十四節気―


2012_03_05.jpg

今日は二十四節気の第3番、啓蟄(けいちつ)です。今日からお彼岸のお中日である春分の日の前日までのことをいいます。冬眠していた虫が大地から這い出してくるころです。
「けいちつ」と読みますが、諸橋大漢和によると、もともと「蟄」という字は、「チフ」(ちゅう)とか「シフ」(しゅう)という音のようで、「チツ」と読むのは慣例読みです。虫類が土にかくれる、冬ごもりをしている虫を意味します。江戸時代に武士が刑を受けて「自宅に蟄居させられた」という時にも使いますね。
「蟄龍」なんて言葉もあるようです。これは、「かくれている龍、転じて、時を得ない英雄の喩」とあります。
つまり「蟄」には暗いイメージ、閉ざされた意味しかありません。
でも、啓蟄となると、暗い土ごもりから出てきて、春の光を浴び、さてこれから活動するぞという明るいイメージです。「啓く」というだけで、全く逆の世界が広がってきます。
明けない夜は無い、冬もいつかは春になる。
今、つらい悲しいどんぞこでも、いつか笑える日が来る。自然が教えてくれているようです。
もう春は目の前ですよ。