昨年の3.11の大震災以後、1年が経過しました。そんななか、1泊2日という短い時間でしたが、初めて被災地を訪ねてきました。
被災から色々な形で活動してきた現地の臨済宗寺院の僧侶の方々と会って、それぞれに活動されてきたことを、記憶の薄れていかないうちに、費用のかからない、そして遠隔地からでも同じ場に書き込めるWEB上で、まとめて残していってはどうだろうかという提案をもっていったのです。
3月26日午後一番に仙台駅に到着。雪がチラチラと舞う中、僧堂の仲間である仙台市内の寺院住職の車に乗せてもらい、まずは七ケ浜へ。海を見ると上の写真のように風光明媚な処なのです。しかし防波堤が痛んでいるのが見えると思います。また浜から近いところには集落があった様子ですが、無残にも住宅の基礎が残るだけです。妙心寺派のお寺が何ケ寺かあり、以前から存じ上げている葦航寺様に立ち寄り御住職にご挨拶をさせてもらいました。
お寺は少し高台にあり、津波の被害は受けなかったようですが、多くの檀家さんが被災され、今も仮設などに住まわれているようです。
「こんなに一気に過疎化してしまうなどとは思いもよらなかった」とおっしゃったのが印象的でした。
特に若い人たちはもうここへは戻ってきて住もうとしないだろうと肩を落されていました。
その後、震災ボランティアをされている若手僧侶グループ「喫茶去」の活動に参加するため、塩竃市の慈雲寺様を訪ねました。この日は10名ほどの僧侶が集まって、エル・サルバドルからいただいたコーヒーを被災地にお届けするため、3つずつ袋詰めしていく仕事。かなりの量がありましたが、2時間ほどお手伝いさせてもらいました。
その後、同じく塩竃市内の東園寺様に移動し、このメンバーに加えて数名の僧侶と、提案の件について会議をおこない、概ね御了解いただきました。
彼らの陰徳行を汚さないように、どういう風に展開していくかが、今後の我々の課題です。
(つづく)