売れるものを作るのか、売れなくても作るのか

編集中の新しい本の発刊日が近づくと、編集室からスーツを着て書店営業に出るのも私の仕事の一つである。
特に今年は新刊書籍が多いので、春につづいて、秋にも回ることになるだろう。
禅文化研究所の本を置いてくれるような書店は、多くの書店の中でもほんの一部分だが、それでも、その書店毎に特徴があって面白い。
全国展開している書店で、いわゆるコンビニのように売れるものをどーんと置いている店、あるいは、売れなさそうな本でも、ここに行けば揃っていると言われるような書店を目指す大型店。
逆に行ってみるとホントに小さな郊外書店なのに、店長や担当者がとても工夫をしていたり、店長自らが推薦する本を中心に全国に顧客を持つ店もある。ここはホントに驚きなので、あえて書店名をあげよう。読書のすすめという郊外店で、『和顔』『愛語』は、全国一の売上げをされている。
他にも地域に根差して活動している店。書棚の配列が無茶苦茶で、ホントに売る気があるのかな?という店もナキニシモアラズ。
考えてみると、書店は本来、その地域の文化の発信地だったはずだ。
なのに、ある店では店長が、「この町の文化レベルを考えたら、こんな本は売れないよ」と豪語されると、ガックリくる。
でも、これは、作る側にも言える話
売れるものを作るのか、売れなくても大切なものを作り続けるのか。このバランスは微妙だ。
いずれにしても、ライブドアや村上ファンドのように、人の汗で自分が儲かるようなことではなく、伝灯をまもりつつも創造的な仕事をしていきたいと、思っている。
(E.N wrote)