幽玄


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枝垂れ桜の大木のライトアップ。
まるで桜がお能の演者のようで、まさに幽玄そのもの……。
どこかから謡まで聞こえてきそうな夜なのでした。
“幽玄”を感じるのは、やはり染井吉野ではない、この何百年も生き延びてきた枝垂れ桜である気がします。
それにしましても毎年、咲いては散ってゆく桜を追い求めています。
桜は私にとっては、ただ美しいと喜んで鑑賞するものではなく、他の何物よりも、弥が上にもこの世が諸行無常である事をはっきりと見せられてしまうものであって、胸をかきむしられるような思いを抱いてしまいます。私の修行がまだまだ足りないからでしょうか。
ふと、老師方はどのように桜を愛でられるのだろう……と興味が涌いてきました。
次回インタビューに伺う際には季節はずれになっても、是非ともお尋ねしてみましょう。


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