京都では例年より遅く満開を迎えた桜が散り始め、花見のシーズンもそろそろおわりといったところです。
本日は二十四節気の第6番「穀雨」。文字通り、農業では苗代の稲が発育するのにいい雨が降る頃ということでしょう。
苗代(なわしろ)といっても、ほとんどの農家は農協から苗を買っているのではないかと思いますから、近ごろはあまりみかけなくなりました。施された小さな田にビニールシートがかけられ、ぎっちりと密に新しく芽吹いた苗が生えていた様子は、ずいぶん前の光景ですが懐かしく思い出されます。
そしてゴールデンウイーク頃になると、この苗が水を貼った水田に植えられていきます。美しい日本の春の風景です。
しかし、東北の被災地では浮れてはいられません。田畑はまだこんな様子なのが事実です。冬が終わって清々しい気持ちになりたい季節ですが、これが現実なのです。
これは陸前高田です。塩をかぶった土は削り取られているようですが、田んぼというのには程遠いです。
陸前高田市長の戸羽 太市長のFacebookでの投稿によると、この削り取った土は捨てるわけにもいかず、燃やすわけにもいかず、処分をどうするかも大きな悩みだと書かれています。もちろん福島には、寄りつくことさえもできない土地があります。とてつもなく大きな問題です。
震災と津波と、そして原発による被害のことを忘れないように、あえて書かせていただきました。
どうかこの穀雨が少しでも恵みの雨となりますように。