明通寺 -福井県小浜市-


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国宝の本堂

このところ度々お伝えしております小浜日記です。今回は、本堂・三重塔共に鎌倉時代中期の創建で、いずれも国宝として名高い明通寺。
真言宗御室派の寺院で、806年、征夷大将軍坂上田村麻呂が蝦夷征伐に際して創建したと伝えられているそうです。
何の因果か、台風なみの嵐の中の拝観となりました。お堂の中にいましても、外の風雨の激しさがわかります。「長い間、どのような厳しい天候にも耐えて来てくれたのだな~……」と。
このような日に拝観するのも、いつもとは違う想像ができて良いものですね。古より人々の信仰を集めた有難い寺院が、今なおこのように拝観できる事がひときわ心に染み入り、感謝の念も増すというもの。

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国宝 三重塔

こちらの本堂と三重塔の美しさは格別。長い階段を上がってその先に本堂と塔が見えると、もう言葉になりません。




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4月終わり頃のしだれ桜

話は変わりますが、明通寺のご住職、長らく原発反対を唱えていらしたのだとか。度々小浜市に原発建設の話が持ち上がったものの、建設される事無くここまで来たのは、ご住職のお力によるところが大きいようです。
お水送りの清浄な地、数々の名刹が今なお残る小浜の地に、確かに原発は相応しく無い…と、私自身初めて小浜を訪れて、あまりにこの土地に感動する事しきりでしたので思ったわけですが、福井のその他の地域に、どうしてあんなにも原発が多いのか。こちらを読んでみると、何とも言えない思いになりますね。
本当に、震災以後、何を選択してどう生きるかという事を常に考えさせられているように思いました。
私にとって、とても意義ある小浜寺社探訪となりました(と、ここで終わるかのようですが、まだつづきます……お付き合い下さい)。

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至る所で石楠花の立派な花と出会えました