羽賀寺 -福井県小浜市-


120528-1.jpg

白洲正子著『十一面観音巡礼』に紹介されており、前々からとても気になっていた羽賀寺にも訪れてきました。
*前回までの小浜市の素晴らしい名刹はこちら(萬徳寺・神宮寺・明通寺)。
羽賀寺は、真言宗のお寺で、霊亀2年(716年)に、元正天皇の勅願によって行基が創建したとされる古刹です。昔は子院を数多く有していたそうですが、現在は室町中期建立の本堂を残すのみとなっています。
駐車場から歩いて山の中へと入っていき、こんもりとしたお山をバックにひっそりと佇む本堂が現れた時の美しさを、どう表現すれば良いのかわかりません。有難いなぁ……と思うのみ。

120528-2.jpg

そしてお堂の中へと入らせていただき、十一面観音様と近く対面させていただきます。
十一面観音にも様々な様式のものがありますが、こちらのは正統派美人というのでしょうか、「美しい」のです。
なんと華奢で上品で美しいのか…。と、お顔やすらりと伸びた腕に見入っていましたら、それもそのはず、元正天皇(女帝です)のお姿をうつしたと伝わるそうな。
数々の戦火や天災をどう免れたのか、彩色までも美しく残っているのです。
小浜にはたくさんの名刹が残っています。
お水送り縁の寺、国宝を有する明通寺などの立派なお寺のみならず、このような、時代を経てひそやかに守られて来たお寺にも是非お参りしていただきたいなと思いました。
小浜寺社探訪はこれで終了しますが、また近々小浜には寺社巡りにでかけたいものです。