笠置寺 -京都府相楽郡-


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元弘の乱等により、今は光背を残すのみの磨崖仏(約15メートル)

先日、会期ぎりぎりでかけこんで拝見してきました、解脱上人貞慶展(奈良国立博物館)。
自らを律し続け、弟子の接化に尽くし、死してなお深く尊崇の念を集めたその生き様がよくわかる展観でした。
なぜか今年は特に解脱上人を意識したわけでもありませんのに、800年の大遠忌という記念すべき年であるからか、導かれるかのごとく上人ゆかりの寺を巡っています。
というよりも、最初はこちらの笠置寺、お水取りに興味を持ち、実忠和尚が十一面観音悔過の行法を感得した場所、そして磨崖仏を拝みに訪れたわけなのですが、解脱上人が興福寺を後にし、入寺された寺でもあったわけです。
奈良仏教、大仏造営、東大寺お水取り、木津川沿いの十一面観音、若狭との繋がり。白洲正子著『十一面観音巡礼』を読みながらその地へ赴くと、点だったものが繋がりはじめ、だんだんと線になってきています。面白いものです。
昨年4月に土樂窯・福森雅武先生に取材をさせていただいた時に、「いろいろ実際に訪ねて見てごらん、もっと楽しくなるから」と仰っていただき、そのようにしてみよう!と思い、色々とでかけていますが、漸くぼんやりとわかってきた今日この頃です。さらに楽しくなってきています。
自分の足で訪れる……、尊い事なのですね。
ちなみに解脱上人展。お次は関東!!!神奈川県立金沢文庫にて開催。お見逃し無く!

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虚空蔵磨崖仏