去る6月10日、禅文化研究所で刊行してきているDVD「禅僧が語る」シリーズの第9段として、若き円覚寺派管長・横田南嶺老師の撮影に同行しました。
鎌倉はちょうど紫陽花が見ごろで、紫陽花で有名なお寺などに多くの拝観者が訪れるため、鎌倉市内はかなりの混みようでした。
円覚寺派管長ではありますが、円覚寺専門道場師家でもある老師は、務めて雲水たちと一緒に生活することを好まれているということで、そういった様子も撮らせていただきたいと願い出たところ、ご快諾いただき、なんと朝3時からの僧堂での生活もビデオに収めることができたようです。
その後、まだ拝観客が訪れる前に、山内の中を管長にお出ましいただいて撮影。インタビュアーの金子あいさんに境内をご説明いただきながら歩いていただきました。
普段、一般の方は入れない僧堂内部や、開山堂もご案内いただき、雲水さんたちが作務をしている隣で、撮影は続きます。
薪割り作務の後には、こんな井戸できんきんに冷やされた麦茶が。さぞ美味しいことでしょう。
この後の撮影の中でも老師が仰っていましたが、福島原発の事故があって、我々はこのままでいいのか、今一度、立ち止まって考えるべき時にあるのではないか。そうしたとき、修行道場で行なっている、薪を割ってご飯を炊いているような生活が役に立つということを、震災後にボランティアに出向いた雲水達は自分たちで気が付いた。だから一般の人にも何か気づいたり感じたりしてもらうことがあるのではないか……というのですということでした。
そういわれてみれば、亡くなられた永源寺派管長の篠原大雄老師も、そのDVD撮影の時に、Back to the basic ということを仰っていました。今から思うと、扱いきれない文明のもたらした事故と、原発に頼らない生活を予測したような言葉であったようにも思います。
さて、こうして撮影したDVDは、7月20日~23日に円覚寺で行なわれる夏期講座に間に合うように制作し、講座に参加される人たちに手にとって頂けるようにしたいと考えています。
おたのしみに。