観音懺法


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6月17日は大本山相国寺の、18日は大本山妙心寺の観音懺法(かんのんせんぽう・妙心寺さんは山門でなさるので「山門懺法」)を取材させていただきました。
相国寺さんは現在大方丈が工事中ということで、例年より簡素なかたちだったようでしたが、開始から終了までの4時間まるまるを、妙心寺さんは一般見学の1時間のみを、拝見いたしました。
観音懺法は、観世音菩薩は大慈大悲を御心とし、抜苦与楽を主とし給えるがゆえに、観世音菩薩に帰命信従して、自己の罪業を懺悔するのである。
観世音菩薩を迎えその前で懺悔する儀式作法を、略して観音懺法という。
相国寺における観音懺法は、中国からの来朝僧で鎌倉建長寺、円覚寺、浄智寺および南禅寺などに住した高僧、一山一寧(いっさんいちねい)の甥で、一山が来朝した時随従して渡来し、建仁寺、興雲寺などに住した仁恭石梁(せきりょうにんきょう)、それにやはり渡来僧で建長寺、円覚寺、浄智寺、南禅寺などに住した清拙正澄(せいせつしょうちょう)と、夢窓国師の三大老の協作であることが、「鹿苑日録」によって知られる。
夢窓国師から二世春屋妙葩(しゅんおくみょうは)へと伝えられたのである。足利家では、毎月18日室町第の内仏殿において相国寺の清衆を請して修業せられ、相国寺においては、毎月17日に修され月次懺法とよばれていた。又毎年6月17日三門円通閣の上で修行するのを閣懺法といった。(相国寺のHPより)
室町時代の五山禅林をもっとも代表・象徴する儀礼こそ、観音懺法でした。なかでも旱のときに行われる観音懺法は、毎月の観音懺法とは違い、いわゆる「千僧供養」、つまり各五山寺院が数百人という大人数の禅僧を動員して、京都の観音の最大の霊場である清水寺などでとりおこなわれました。
禅僧の観音懺法は他宗の祈祷にくらべても、高い芸術性を持つと同時に、きわめて霊験あらたかな儀礼とされ、足利将軍をはじめ、京都のひとびとの関心の的でした。
日本人の信仰として観音信仰がひじょうに強いことはあらためていうまでもありませんが、禅宗でも達磨大師が観音の生まれかわりとされるなど、強い観音信仰がありました。観音さまを祀っている禅宗寺院もとても多いことはよく知られます。
ぜひ禅の観音信仰について、いずれ季刊『禅文化』でご紹介できればと思っております。
18日は鎌倉の大本山円覚寺でも夕方に山門懺法が行われたようです(ブログ「円覚寺居士林だより」参照)。来年はぜひ、鎌倉円覚寺の懺法も拝見(取材)させていただきたい!と思っております。

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