日本印度学仏教学会第63回学術大会


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6月30日・7月1日と、横浜の鶴見大学で行われた、日本印度学仏教学会第63回学術大会に参加してきました。
世界的にも高い水準にある、日本の印度学仏教学の年に1回の学会とあって、外国人研究者も多く参加されていました。
今回は曹洞宗系の大学である、鶴見大学が会場であったこともあり、特別部会「いま、あらためて禅の現代性を問う」が置かれるなど、禅関係の発表も例年よりは多く、いろいろな面から勉強させていただきました。
発表者のなかには弊所の『雲水日記-絵で見る禅の修行生活-』を引用して、発表された方もいらっしゃいました。
今回の学会の最大のハイライトが、花園大学の佐々木閑教授による、大乗仏教の起源をめぐる最近の研究への批判のご発表であったことは、まず異論のないところでしょう(私もそちらを拝聴するために馳せ参じました)。


誰かに扇動されたわけでもなく、多数の参加者が佐々木先生のご発表をきこうとつめかけ、急遽大教室へと会場が変更されました。にもかかわらず100名以上収容可能の会場はあっという間に超満員、立錐の余地もない状態となり、入れない方が続出しました。私はなんとかかろうじてはじっこにもぐりこんで、拝聴することができました。聴衆全員が佐々木先生のご発言をひとことでも聞き漏らすまいと、超満員の大教室が静まりかえっていたのがひじょうに印象的でした。
「学会」という場が、真摯に真剣に謙虚に、学問について検証・議論する(できる)場であること、そしてそのすばらしさが、佐々木先生のご発表によって示されたと思います。私もこれまで多くの学会に参加させていただいてきましたが、もっとも興奮した発表でした。佐々木先生のご学恩に心よりの感謝を申しあげます。
佐々木閑先生の新刊です。
『NHK「100分 de 名著」ブックス ブッダ 真理のことば』