ブータンの人々は、自分たちの国の事を、-雷龍の国-と呼んだり、デュルック・ユル-穏やかな龍の地-と呼んでいる。
ブータンを旅していて、この風景を見た時、「あぁ、本当に龍がこの国を守っているのかもしれない。ちゃんと龍の通り道があるんだ」と思った。
皆さんも想像できないだろうか? 谷間を飛ぶ龍の姿。
これは、東洋人だからこそ想像できることなのか。
キリスト教社会では、龍は悪の化身で、神々と対立する存在として登場し、ギリシア神話などにも神々が龍を打った話が数多く残っているし、古代オリエントの世界でも、ヒッタイトには龍退治の話が残っている。
インドやネパール、カンボジアなど、ヒンズー信仰と係わり深い国では、ナーガという大蛇を神格化したような聖獣の信仰が見られる。 中国や日本などではもちろん、神聖なものだ。
宗教の歴史は複雑で、一概に「西洋での龍は悪者、東洋での龍は神」とは分けられないが、だいたいがそのようだ。
今の世界に日本人として生まれてきて、ブータンへ行って良かったと思う私。
同じ仏教国であり、アジアに位置する国であるからこそ味わえる感動があるからだ。
西洋の目から見ても、それはそれで素晴らしいのだろうが・・・。
土壌に鉄分が多く含まれる為、植物が育ちにくい山。
ブータンの山の風景は、針葉樹林などが多く見られる、日本の山と似たような山々と、こういった、鉄分が多くほとんど木が生えていない山々とに分けられる。
ヒマラヤ山脈の雪が解けて出来た川。流れには勢いがある。
ブータンの全ての風景が私にとっては新鮮で魅力的であった。