野村美術館を訪れた日、近くの泉屋博古館も訪れてみました。
こちらは御存知、住友家十五代、吉左衞門友純(号・春翠)が蒐集した美術品等を展示している美術館です。
青銅器のコレクションがとても有名ですが、今回は彼の蒐集した茶道具の逸品がお目見え。
青銅器に惹かれる春翠らしく、中国美術の造詣が深く、唐物の名品が多いのが特徴です。
関西には他に、阪急の小林一三の蒐集品を展示している逸翁美術館、野村得庵の野村美術館、山林王として名高い北村謹次郎翁の北村美術館、朝日新聞社の創業者・村山龍平翁の香雪美術館などなど、多くの実業家のコレクションを拝見できる美術館があります。
長い所で、既に10年以上は通い続けてコレクションを見てきていますが、本当にそれぞれに個性があり、面白いものです。
その人に実際に会った事はなくとも、蒐集された物から、人となりを勝手に想像して楽しんでいます。
あつめた物、あつまった物とは、その人自身、その人をうつす鏡のようなものだと思います。財力のあるなしは関係ありません。
財界人の茶道具や美術品のみならず、私達が普段使う器一つ、何を選ぶかにしても、その人を写しているのだと思います。
我が研究所の西村惠信所長が、「禅はどこにでも転がっている。茶の間にでもだ」とよく仰いますが、まさにそうで、日々の暮らしを省みる事は、まさに自身を省みる事なのでしょう。
*おしらせ
野村美術館と泉屋博物館、どちらも訪れると割引があります。場所も近いですし、是非に!