向嶽寺と富士山


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仏殿兼開山堂_山梨向嶽寺

先日のブログにて上司が書いていましたが、私も向嶽寺(山梨県にある臨済宗の本山)での会議に行かせていただいておりました。
向嶽寺と富士山の写真をいまいちど、もう少しご堪能いただこうかと思います。
上の一枚は、仏殿兼開山堂(市指定文化財)です。うっとりしてしまうほどにきりっと引き締まった美しい佇まいですね。よく見れば、建物が後ろに長く続いているのはおわかりいただけますでしょうか。
非常に珍しい形なのですが、前方に仏殿、後方に開山堂が一体となっています。天明7年(1787)に再建されました。

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方丈

そして方丈。前庭は、名城大学三浦彩子先生によるものだそうな。昨年できたばかりの新しいお庭です。
遠くむこうに見える山並みが、下写真のようにガラス戸にうつります。まるでぐるり山に囲まれているようです。
あたかも、この彎曲した島が浮かぶ枯山水庭園が海のように思え、山と海、世界全て(宇宙の理)を現し、その中にぽつりと自分が立っているような感覚を覚えました(実際はどのようにデザインされたのかは知りませんが、私の想像です…)。

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方丈裏にある庭園です。桃山から江戸初期の作とされています。
なんと、平成2年(1990)に発掘調査が行われる前までは、ほとんど埋没しており、手を入れられていなかったために、原形に近い状態で発掘、修復工事が行われたのだとか。当時の庭についてを知る貴重なてがかりとなる庭です。


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富士山というのは、この裾野の広がりの美しさが全てだと思っている私。これがあるからこそ美しい。
そして富士山といえばいつも私が思い出すのが、白洲正子さん。

『母なる富士』
富士は私の母なる山であり、富士山によって育てられたと言っても過言ではないと思う。
そのために、美しいものにしか惹かれないという欠点を持っているが、「物の形」と言うものを、はじめて体験させてくれたのも富士山なのだから、今さらそんな贅沢をいってみてもはじまるまい。

彼女は少女時代、御殿場の別荘で暮らしていましたから、恐らくは今回私が見た富士は、正子さんが幼い頃から愛でた形。彼女の美的感覚を養うのに一役買った富士なわけで、感慨深く見入ったものでした。
確かに世界の屋根、ネパールの山々は素晴らしかった。けれども、この形の右に出る山は世界広しと雖も無いであろうと思うわけで、私は富士山を見る度に、誰に自慢するでもないのだけれど、日本人として一人誇らしい気持ちにひたるのです。