願徳寺の如意輪観音 -京都・洛西-


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昨日、勝持寺の紅葉をご紹介させていただきましたが、実は勝持寺へ車で向かうと、山門のある正面とは違う駐車場へとナビに案内され、そのおかげで、国宝の如意輪観音様を拝む事ができました。
勝持寺のすぐお隣にひっそりと佇む、願徳寺。
こちらには平安前期の如意輪観世音菩薩半跏像がおはします。
榧木(かやのき)の一木造りで、その肌は年月を経て黒光りし、肩から腹へ、そして半跏趺坐を取った脚へと流れる衣のドレープのあまりに優雅な美しさは、遠くギリシアで見た彫像を思わせます。
また、背中などは、その柔らかいラインに色気を感じるほどで、仏様であって仏様でないような、肌に触れればあたたかいのではないか……と、生きていらっしゃるようななまめかしさを感じる美しさでした。
それにしましても、京都というところの奥深さは常々町中に暮らしていても感じますが、少し山の方へ入ればこのような仏様がおはし、日本の原風景がひろがっている。
中心部もそれは楽しいのですが、たまには洛西の古仏を拝むのも良いものです。