教えを染み込ませる


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ある日、母に、我が母だという甘えもあり、ついついとある不満をもらしていました。
すると母は、先日彼女に対して、ある人が言ってきた発言について教えてくれました。それは、娘の私が聞いても怒り心頭に発するような発言で、「なんたること!」と怒っている私に対して母は、
「でもね、お母さん何言われても怒らない事にしてるの。違う眼でみれば、そんな風に見える事もあるんだろうなって。お母さんが間違ってるのかもしれないし、わからないからね。それに、ダライ・ラマ法王の本にも、五井昌久先生(宗教家)の本にも、怒りは何も生み出さないとあったから。お母さんバカだしすぐ忘れるから、毎日枕元に置いてこれらの本を少しずつ読むの」。
ガーンと頭を撞かれた思いでした。親というものには、かなわないものですね……。
ことにダライ・ラマ法王の本は、偉そうに私が母に対して「これでも読めば」と渡した本でした。
以前、とあるチベット僧が話してくれた事を思い出しました。
チベット人は、生まれた時からずっと、たゆまず、少しずつ仏教の教えを学び、身心にそれらを染み込ませて育ってゆく。そうしてああいう民になってゆくのだ……と。
確かに人間、感動的な話を読んだり、有難いお話を聞いて、その時だけは「今から悔い改めよう」と思いますが、思った瞬間にすぐその思いはどこかへゆき、実行が伴わない事は日常茶飯事です。
日々、自らに染み込ませてゆき、己の物としてゆく事は大切ですね。
ということで、枕元に置いて毎晩読んでもしんどくない、すっと心に入ってくる、そんな本はうちの研究所ではどの本かな?!と、私のセレクトしたものを下記に紹介致します。
眠れなくなるような、考えてしまう本は選んでいません。是非枕元に!
『和顔』『愛語』 山田無文老師
『禅語に学ぶ 生き方。死に方。』 西村惠信所長
『いろはにほへと』 横田南嶺老師