樂美術館-ゆく年くる年・光悦の足跡-

樂美術館

前回の展覧、「光悦と樂導入 二つの樂茶碗 二人の交友」に引き続き、今回は、樂家に大きな影響を与えた光悦の足跡についてをたどるような内容となっている(2月25日まで)。
また、季節に合わせて、新春の慶びを味わえるような作品の数々も展示中だ。
三千家(表・裏・武者小路)のお家元による書き付け(干支など、お正月に因んだもの)がほどこされた茶碗も並ぶ。
当代は、代々続く京都の旧家に生まれ、彫刻の勉強でイタリアに留学されていた事もある。
お話を伺っていると、その視野の広さと、時折見せる子供のようにキラキラした瞳、研究熱心で、まっすぐなお人柄に、好感を抱かぬ人はいないだろうと思う。「人」として非常に魅力的な方なのだ。
また、若い頃から光悦茶碗には強い共感を抱いたと言われており、その作陶には、自由でおおらかな精神が見て取れると共に、作品によっては、伝統的な樂茶碗というものを研究し、愛する気持ちも感じられる。
まさに温故知新。現代に生きる我々がお手本にすべきだ。
世間では、京都で十何代も続く家・・・と聞くと、イメージだけが先行して、なんだか後ずさりしてしまいたいような、きっと、古いしきたりにばかりうるさい、意地悪な、何かを内に秘め隠しているかのような印象を受けるのかもしれないが、「本物」というのは、そういうものではない。と私は思う。
美術館では、実際に手にふれて樂茶碗を味わう鑑賞会が開かれている。
興味のある方は、是非一度参加されてみると良い。
特別鑑賞茶会では、当代が亭主をされる。楽しいお話を拝聴できる貴重な機会だ。
詳しくは樂美術館まで・・・。
樂美術館