高知へ その1

先週の金曜日、修行道場の仲間が還暦を迎えるということで、北は東京、南は岡山から20人近くが高知に集まって、彼の還暦祝いの会を催しました。
平日ではありますが、参加者のほとんどが僧侶ということで、こういう行事は友引にあわせて行なわれるのが常。サラリーマン兼業僧侶の私は涙をのんで、いや、慶んで有休を取って四国へと向かったのでした。


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春のような暖かい日差しの中を同行3人は明石海峡大橋を渡って高知を目指しました。facebookで繋がる先輩の僧侶からは「かんざしを買わぬよう気をつけて」とのメッセージが。

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個人的には20年ぶりに訪れた高知駅は新しく、駅前には土佐を代表する幕末の志士お三方の大きな銅像が立っています。左から、武市半平太、坂本龍馬、中岡慎太郎です。おっと、高知ではこのお三方には先生を付けて呼ばないと叱られるのだぞと、同行の先輩和尚から注意が。
夕刻の還暦の会にはまだ少し時間的に余裕があるので、せっかくだからその前に高知城を訪ねてみようということになり、人気もまばらな平日の高知城にやってきました。
高知城は旧国宝、現在は重要文化財となっている天守閣が矍鑠として城山の上にそそり立っています。
NHK大河ドラマの「功名が辻」の放映の頃には一日1万人もの観光客が訪れたこともある、山内一豊の居城でした。現在の天守閣は一度、城下町の大火災で焼失したものの再建されてすでに250年経っています。

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天守閣へ登り口付近にあるこのセンダンの古木は樹齢268年とみられるらしく、再建された城よりも古き樹木のようですが、センダンは土佐の象徴とも言える木なんだそうで、昔、土佐ではすべての道路に旅人のためにセンダンを植えていたとのこと。案内板には富田碎花は土佐路の印象を
   こごしかかる 北山越しに 来し国の
       並木の道は せんだんの花
とうたったと記してありました。

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切り立った見事なこの城内の石垣も、安土桃山時代から石職人として有名な近江坂本の穴太衆が作ったとのこと。
そして夕映えの天守閣は美しく、往時の武士たちの声が聞こえてくるようでもありました。

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つづく