東海庵 -妙心寺塔頭-


130208-1.jpg

妙心寺四派の一つ、東海派の本庵、東海庵が公開されています。
応仁の乱により諸堂を焼失した後、再興に尽力した雪江宗深(せっこうそうしん/1408-1486)。
その4人の傑出した弟子が、それぞれに一派を成し、四派四本庵による教団統括運営組織の礎を築きました。
4人の弟子とは、景川宗隆(けいせんそうりゅう)、悟渓宗頓(ごけいそうとん)、特芳禅傑(とくほうぜんけつ)、東陽英朝(とうようえいちょう)で、それぞれ、龍泉派・東海派・霊雲派・聖澤派をつくります。
妙心寺の末寺は現在およそ3500ヶ寺ほどありますが、全ての寺がこの四派のどこかに属しているわけで、お坊さんたちの会話をよく拝聴していても、「お前んとこは○○派だから○○だ」などというセリフを耳にします。
内容はともかく、“流れ”というのは大事なのですね。
と、前置きが長くなりましたが、まさにこの、東海派の本庵である東海庵が公開されているというわけであります。
なかなかに公開される機会はありませんので、是非とも“京の冬の旅”で公開されている期間(3/18まで)に一度訪れてみて欲しいお寺です。
方丈前の庭を観ていますと、やはり、やはり、禅宗の寺はいいなぁ……と、いたってシンプルで、あらゆるものが削ぎ落とされた中にいて、満たされている気分に浸る事ができました。
余談ですが、3つの素晴らしいお庭があるのですが、解説をしてくださるボランティアガイドの方の主観的な庭の見方での説明がかなり長く(その方も庭を愛してやまないのでしょうが)、こちらがじっと庭をみて考える時間を与えさせてはくれないほどです。
一人静かに見たいのであれば、ボランティアガイドさんが皆さんに説明されている時をはずしてご覧になられるのが良いのかもしれません。

130208-2.jpg

————————
★スマホアプリ「京都禅寺巡り」 Android版/iPhone版 好評リリース中!