東風ふかば


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渡宋天神画賛 禅文化研究所蔵

東風吹かば にほひおこせよ梅の花
              あるじなしとて 春を忘るな   菅公
梅が咲くと思い出します菅原道真公の歌。
そして、禅宗寺院でこの季節によくみかける軸が、『渡唐天神画賛』ではないでしょうか。
天神が無準師範(ぶじゅんしばん/1177~1249)に参禅したとの中国の伝説が、日本においては菅原道真公が参禅したとされ、掛物にも登場します。
禅文化研究所に所蔵されているのが、上の軸です。
梅の花をみるにつけ、道真公は太宰府でどのように都を懐かしみ暮らされたのか、はたまた都に天災をもたらすほどの怒りを持って暮らされたのか、その心をいくら推し量ったとてわかるところではありませんが、梅の花をみれば、ただ美しく馥郁たる香りを楽しむのみならず、一種独特の感慨をもってしまいますね。
お軸の詳細はWEB墨蹟展(実はそんなコンテンツがHP内にあるのですよ!)にてどうぞ。

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京都御苑の梅 随分花開いていました