福森雅武展 -陶仏・茶碗・花入・器-  ギャルリー石塀小路和田


130321.jpg
焼締台皿に苔を敷き、椿と梅を生ける

先日、招待されてお邪魔しましたピアノコンサート。
井澤利先生(兵庫教育大学名誉教授/神戸女学院音楽学部でも教鞭をとっておられました)の演奏では、まるでピアノが生きており、おのずから弾いてもらう事を欲しているかのような音を奏でていました。
先生とピアノが一体となって、相互にその命を生かしきり、それにより、衆生を済度するかのようでした。
そこでふと思い出したのが、土樂窯の跡取りで、友人道歩さんがお父さんの轆轤について言ったことばでした。
「うちの父はどんな職人よりもやれる。土のほうが言う事を聞く」
昔、この発言を聞いた時には、「ふぅむ、そんなものなのかぁ…」と思ったのが、なんとなく、わかった気がしたのでした。
土と一体となり、土が欲して形作られたもの。
そういう器と日々共にある暮らしは、ともすれば自らを救ってくれる機縁を結んでくれると、私は本気で思っています。日々の暮らしが、なんでも良いわけが無いと思うのです。
今回の氏の個展も楽しみです。本日より始まっています。
先生の生けられた花もご覧いただけますので、是非とも皆様に実際に見て感じて欲しいと思います。
花を生ける時は自然そのもの、自然と一体になっておられます。美しいと感じたものをそのままそこに再現するのみ。だから何のてらいも無く、嫌らしさも無いのでしょうね。
そんな花が、いつになったら生けられるでしょう。
いつもいつも、先生の花を見てはいろんな意味で溜め息をつく私です。
花についての記事はこちら。
福森雅武の花 -季刊『禅文化』225号より-
【福森雅武展 -陶仏・茶碗・花入・器-】
2013年3月21日~31日(3/27は休廊)
12:00~18:00(21、23、24日作家在廊)
ギャルリー石塀小路 和田