細川護熙元首相筆の襖絵 -正伝永源院-


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千家十職当代・永樂善五郎作の書院襖引き手

テレビや新聞で既に報道されましたが、建仁寺塔頭の正伝永源院の方丈に、このたび、政界引退後に陶芸家として活動しておられる細川護熙元首相が、襖絵を描いて寄贈されました。
正伝永源院は、もともと正伝院と永源庵という二つの寺院であったのですが、鎌倉時代に開創された正伝院は、大阪冬の陣ののち、隠棲した織田信長の弟である有楽斎が再興し如庵という茶室をたてて、晩年を茶の湯三昧のうちにすごされたお寺です。
もう一つの永源庵は開基が細川頼有公。ところが廃仏毀釈のおりに無住であったため、売却された正伝院の移転地とされ、廃寺になってしまいました。しかし細川家の菩提寺であったため、のちに永源の名を再び興して現在の寺名になったということです。
こういったご縁があり、細川家の末裔である細川護熙氏が、本院に襖絵を描いて寄贈することになったとのこと。その襖絵が以下の「東山の春・夜桜」と「西山の秋・紅葉」の各8面です。御住職の許可を得て写真を撮らせていただきました。

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東山の春・夜桜



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西山の秋・紅葉

正伝永源院は通常非公開の寺院ですが、この襖絵の特別公開が明日4月5日から始まります。方丈室中には狩野山楽の筆と伝えられる金色の襖絵もあり、東山、建仁寺近辺を散策される予定の方には、是非、この機会に参拝されてはいかがでしょう。
ただし、この襖絵は、4/10~22に、阪急うめだギャラリーで行なわれる「細川護熙展」に出展されるため、正伝永源院の特別拝観中では、4/5~7と4/25~5/6の期間のみ展観されますのでご注意ください。
細川元首相は、このあと夏と冬の絵も描かれるとのことです。
また、冒頭の書院襖引き手を作られた千家十職の永樂善五郎氏らの募財によって平成8年に再建された、有楽斎が建てた名席「如庵」写しの茶室「如庵」も特別公開されます。

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庭園の枝垂れ桜も満開でした。

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お寺は少しわかりにくい場所にあります。下の地図をご参考までに。


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